小山 耕平
  コヤマ コウヘイ   KOYAMA Kohei
   所  属   旭川校
   職  名   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2013/03/30
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 植物個体呼吸スケーリングの生態学的意義(<特集2>代謝スケーリング理論:個体生理と生態系をつなぐ統合的アプローチ)
執筆形態 共著
掲載誌名 日本生態学会誌
掲載区分国内
出版社・発行元 一般社団法人 日本生態学会
巻・号・頁 63(1),125-132頁
総ページ数 8
担当範囲 植物の共同計測の一部に参加した。共著者と共に論文全体の執筆に関与した。(pp. 1-8)
著者・共著者 森 茂太, 小山 耕平, 八木 光晴, 福森 香代子
概要 呼吸は、植物成長や二酸化炭素収支における消費、支出という概念で定義されてきた。しかし、広い意味で呼吸はエネルギーと多様な物質の間の変換プロセスであり、防衛、適応、成長などの生態学プロセスそのものである。近年、Metabolic Ecologyの提唱によって、こうした生態学プロセスを扱う境界領域研究が、地球環境研究のベースとして発展しつつある(Sibly et al. 2012)。Metabolic Ecologyでは、個体呼吸を目的変数、個体サイズ(mass,重量など)を説明変数として回帰分析を行う。しかし、根を含んだ大型樹木全体の個体呼吸測定は困難なため、葉、幹、枝、根の一部の測定値から推定する場合が多い。個体呼吸を正確に評価するため、Mori et al.(2010)はシベリア亜寒帯林から熱帯林において、実生から巨木を材料に個体重量幅10億倍で根を含む樹木全体の個体呼吸を実測した。その結果、個体重量と個体呼吸の間には両対数軸上で上に凸の傾向がみられ、これを実生側の傾き1と巨木側の傾き3/4の単純べき関数を2本の漸近線とした混合べき関数でモデル化した。徐々に変化する2つの傾きは、Reich et al.(2006)の傾き1とWest et al.(1997)の傾き3/4の双方の結果を支持した。亜寒帯林から熱帯までの多様なバイオームの各森林において、最小から最大個体サイズまでの実測から得たこのモデルは、植物個体呼吸とその重量が持ちうる網羅的な範囲を示すと考えられる。こうした植物個体呼吸の意義について、幅広い視点から解説を試みたい。
DOI 10.18960/seitai.63.1_125
ISSN 00215007
NAID 110009604262
PermalinkURL https://doi.org/10.18960/seitai.63.1_125