蔦森 英史
ツタモリ エイシ TSUTAMORI Eishi 所 属 旭川校 職 名 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2012/02 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 視覚的記憶力の低下を示した中学生男児1例における英語音読. |
執筆形態 | 共著第一著者 |
掲載誌名 | 音声言語医学 |
巻・号・頁 | 52(1),8-19頁 |
著者・共著者 | 蔦森英史, 宇野彰, 春原則子, 金子真人, 粟屋徳子, 狐塚順子, 後藤多可志, 三盃亜美 |
概要 | 本症例は右利き、検査時13歳の男児である。全般的な知能は正常(VIQ97、PIQ90、FIQ93)でモーラレベルの音韻認識力は良好であるが、Rey-Osterrieth Complex Figure testの直後、遅延再生において2SD以上の成績低下が認められた。漢字の書字障害に加え、英語音読と書字における学習困難を呈していた。視覚的記憶力を詳細に評価する課題として無意味図形を用いたSternberg課題を行った。その結果、本症例は対象群と比較し記憶項目が増加するにつれ再認正答数が低下したことから、繰り返し学習しても複数の視覚図形を学習することが困難であると考えられた。本邦において漢字書字障害と視覚的記憶力の低下との関連が報告されている。一方欧米圏では視覚情報処理能力の低下が英語音読に影響することは指摘されている。本研究の結果からも視覚的な記憶表象の脆弱さは、漢字書字だけでなく英語音読の困難さに影響する可能性が示唆された。 |