西内 沙恵
ニシウチ サエ NISHIUCHI Sae 所 属 旭川校 職 名 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020/01/06 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | 談話における形容詞の対人関係調整機能 : 「いい」の振る舞いから |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 筑波応用言語学研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 筑波大学大学院 博士課程 人文社会科学研究科 文芸・言語専攻 応用言語学領域 |
巻・号・頁 | (26),30-43頁 |
著者・共著者 | 西内 沙恵, NISHIUCHI Sae |
概要 | 話し手と聞き手の関係性を暗示する形容詞の振る舞いから,談話における対人関係調整機能を論じた。「上手」や「いい」は,目上に使うべきではないとされる。本研究は,「いい」を題材に,上下関係がある話者間の談話における形容詞の使用実態を,『談話資料日常生活のことば』を用いて調査した。先行研究では,丁寧な印象を与えない形容詞について,主観的であるために不遜に感じられる,目上を評価しないという習慣が強いといった分析が主流であった。本研究は,客観的評価を目下が呈することによって対人関係調整機能が侵害されることが,形容詞のヒラルキーを暗示する談話ルールを動機付けていると主張した。これにより,様々な形容詞に対して統一的な説明が可能となる。不遜さを回避する方略としては,理由を付加することで客観性を強化することで客観性の根拠を免れると説明できる。「上手」による不遜さを回避するためには,「勉強になりました」,「感銘を受けました」のように自己に引きつけて述べることで客観性を削ぐことができる。従来,マナーの観点から指摘されてきた形容詞の使用例を談話ルールの俎上に上げ,談話レベルで制約が働いていることを論じた。 |
ISSN | 1342-4823 |
NAID | 120006797132 |