齋藤 幸子
サイトウ サチコ SAITO Sachiko 所 属 旭川校 職 名 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2018/02 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | Kharlamovによるいくつかの位相型の実4 次曲面の存在証明 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 北海道教育大学紀要 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 北海道教育大学 |
巻・号・頁 | 68(2),11-20頁 |
著者・共著者 | 齋藤幸子 |
概要 | この小論では,1976 年にV.M.Kharlamov によりなされたいくつかの位相型の実4次曲面の存在証明のアイデアと巧妙な証明のアルゴリズムについて紹介する。この証明は,当時現れたばかりであったK3 曲面の変形族とその上の周期写像の理論を反正則対合付きで用いるものであった。実4 次曲面の存在性を示すのに,具体的に実4 次多項式を与えるのではなく,実K3 曲面(反正則対合を持つK3 曲面)の2 次元コホモロジー格子に関する判定条件を用いる(代数幾何的な手法)という点でも画期的であった。この研究を端緒として実4 次曲面や実6 次曲線の位相型やisotopy 型の分類(ヒルベルト第16 問題)に,K3 曲面の理論が積極的に用いられるようになった。このような一連の実K3 曲面の研究について,日本では知る人はあまり多くない。また,世界的にも,実K3 曲面の研究がかつてほど盛んではない。この小論では,Kharlamov のアルゴリズムの簡明な解説を試みる。 |