村上 健太郎
ムラカミ ケンタロウ MURAKAMI Kentarou 所 属 函館校 職 名 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/10 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | シダ類のハードスケープハビタット選好性とその保全・活用に関する研究―和解生態学の視点からー |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 環境共生 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 38(2),188-199頁 |
総ページ数 | 12 |
著者・共著者 | 村上健太郎 |
概要 | 本研究では、関東から東北にかけての道路沿いのハードスケープ(壁などの硬質人工構造物)上に生育するシダ類を調査し,ハードスケープハビタットの選好性,種構成に影響する気候要因を検討し,和解生態学の視点に基づいてハードスケープの利用可能性を議論した。シダ類の優占種は、関東地方や東北南部の暖温帯ではイノモトソウやイヌワラビであったが,東北地方中部~北部のWIや年平均気温が低い地域ではヘビノネゴザに移行した。本調査地域では建造物間隙にのハードスケープハビタットが多かった。種ごとの選好性を検討したところ、壁を好む種が最も多かった。建造物間隙の生育例が多いこと,壁選好種が多いことは,冷温帯の都市部における特性と考えられる。全国版レッドリスト掲載種は確認されなかったが、コタニワタリのように複数の地方版レッドデータブックに掲載される希少種は記録された。このことは、これらの種の保全のために、ハードスケープの利用が可能であることを示唆している。和解生態学の視点から考察すると、これらの種が生育しやすいように庭に石積み壁を作ったり、適湿条件の建造物間隙を作ったりすることが推奨される。 |