蔦森 英史
ツタモリ エイシ TSUTAMORI Eishi 所 属 旭川校 職 名 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2007/06 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 適応困難メカニズムの解明をめざして-認知発達障害のある子どもは, なぜ新しい環境に慣れにくいのか
第5節 学習障害児における新しい環境への適応困難さ -系列学習との関連性- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 北海道大学大学院教育学研究科紀要 |
巻・号・頁 | 96,200-207頁 |
概要 | Nicolson(1999)は発達性読み書き障害が, 小脳機能障害に由来した自動化能力の障害を呈しており, その結果読み書きの習得が困難になるという自動化欠陥障害仮説を提唱した. 本研究は, 系列学習課題を用いて, 発達性読み書き障害におけるスキルの習得過程に関して検討した. 対象は読み書きに困難を呈する対象児2名(11歳, 12歳)と読み書きの困難を伴わない中学1年生1名, 及び大学生8名であった. 課題は決まった系列のキー押しを試行錯誤しながら学習する系列学習課題であった.2名の読み書き困難児においてのみ系列を想起するプロセスの減少が認められなかった. この結果から読み書き困難児において自動化能力が低下している可能性が示唆された. 我々の日常は様々な自動化したスキルに支えられている. この能力に欠陥があった場合, 日常の動作に多くの注意を払わねばならず, 新しい環境への適応を妨げる可能性が考えられる. |