田口 哲
  タグチ サトシ   TAGUCHI Satoshi
   所  属   札幌校
   職  名   学長
言語種別 英語
発行・発表の年月 1998/10
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 Correlation of the underpotential deposition (UPD) of zinc ions on Pt(111), Pt(100), and Pt(110) with anion specific adsorption.
執筆形態 単著
掲載誌名 Journal of Electroanalytical Chemistry
出版社・発行元 Elsevier
巻・号・頁 457(1-2),pp.73-81
著者・共著者 S. Taguchi and A. Aramata
概要 我々は,亜鉛イオンのアンダーポテンシャル析出(upd)において,異なる環境下で,upd金属と協調的および競合的相互作用をもたらす吸着アニオンの2つの役割を報告した。Zn updに対する特異吸着アニオンの影響を,pH 1 ~ 4.6 の溶液中の Pt(111),Pt(100)および Pt(110)でサイクリック ボルタンメトリーによって体系的に調査した。アニオンは,硫酸塩,リン酸塩,塩化物,臭化物,ヨウ化物のアニオンを用いた。pH 1の酸性溶液中の Pt(111) では,Zn upd はほとんど起こらなかった。しかしながら,pH 2 ~ 4.6 の範囲で pH が増加すると,リン酸塩溶液中の Pt(111) 上でZn updの鋭いボルタンメトリー波の成長が観察された。 硫酸塩および過塩素酸塩の溶液では,pH が上昇してもそのような挙動はPt(111)では観察されなかった。 一方,Pt(110) では,pH 1 のリン酸塩溶液中で Zn upd が明確に観察された。10−3M ハロゲン化物を含む 0.1 M KH2PO4 (pH 4.4) では,Pt(111) 上の Zn upd の開始電位がCl<Br<Iのアニオン吸着強度の順にしたがって負にシフトした。 Pt(111)上のCl-吸着による負のシフト0.02Vは,Pt(100)上の0.10Vより小さかった。これらの結果が議論され,upd Znに対する吸着アニオンの協力的および競合的相互作用の観点から,Zn upd の開始電位におけるアニオン吸着の強度と相関付けられた。Pt上の吸着リン酸アニオンは,脱離によってZnのupdを速度論的に促進するが,Pt表面に強く吸着されたハロゲン化物はZn updの開始を阻害した。
DOI http://dx.doi.org/10.1016/S0022-0728(98)00297-6