田口 哲
  タグチ サトシ   TAGUCHI Satoshi
   所  属   札幌校
   職  名   学長
言語種別 英語
発行・発表の年月 1997/09
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 Kinetics study of underpotential deposition of zinc ions on Pt(111) in acidic phosphate solution.
執筆形態 単著
掲載誌名 Journal of Electroanalytical Chemistry
出版社・発行元 Elsevier
巻・号・頁 435(1-2),pp.55-61
著者・共著者 S. Taguchi, T. Fukuda, and A. Aramata
概要 Pt(111)上のZn2+イオンアンダーポテンシャル析出(upd)の析出および脱離の化学動力学が,溶液中の特異吸着陰イオンの影響に関して,電位掃引法および電位ステップ法によって調べられた。両方法による結果は互いに一致していた;リン酸塩溶液では,Zn2+ upd層の形成はラングミュア吸着速度論に従って起ったが,溶液中にBr-を添加すると,Zn2+ upd層形成の速度論的機構は2次元相転移機構に変化した。ただし,Zn2+ updの脱離プロセスは,Br-の有無に依らず常に核生成-成長機構に従って発生するように思われる。これは,Pt(111) 上にアンダーポテンシャル析出したZnは,その被覆率の増加とともにある程度規則性を持ち,そして核生成成長メカニズムに従って脱離することを示している。リン酸塩溶液中にBr-が存在しない場合,Zn upd層の形成はラングミュア吸着機構に従う。これは,Zn2+ updが進行する電位で起こるリン酸塩の脱離機構に対応する。ランダムなZn2+ upd形成は,吸着リン酸塩のランダム脱着によって誘起されるように思われる。Br-イオンを添加すると,Zn2+のupd電位がさらに負の電位側に0.12 Vシフトする。特異吸着アニオンの脱離は,Zn のupdをトリガーしていることが示唆される。これらの事実は,upd の「フットプリント」の役割を果たす可能性がある吸着陰イオンに関して議論される。Zn2+イオンの upd に利用できる空のサイトは,特異吸着アニオンによって占有されているサイトである。これは,陰イオンの脱離が「フットプリント」として Zn2+のUPDを誘導することを意味する。
DOI http://dx.doi.org/10.1016/S0022-0728(97)00129-0