村上 健太郎
ムラカミ ケンタロウ MURAKAMI Kentarou 所 属 函館校 職 名 准教授 |
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発表年月日 | 2022/03 |
発表テーマ | ノベル生態系としての路面間隙に成立する海岸植物群落 青森県西海岸の事例 |
会議名 | 日本生態学会第69回全国大会 |
主催者 | 日本生態学会 |
発表区分 | 学会発表 |
発表形式 | ポスター |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 福岡(ウェブ開催) |
種別 | 国際的又は全国的規模 |
発表者・共同発表者 | 村上健太郎 |
概要 | 近年,人工硬質構造物空間もノベル生態系(過去に出現したことがない従来とは異なる種組成や物理的環境からなる生態系)の一つとして,保全に活かそうという試みが見られる。そこで,海岸近くの路面間隙(青森県西津軽地方)を一事例として調査し,海崖植物の生育地となりうるかについて検討した。
各20m長の路面間隙38箇所を調査した結果,77種の維管束植物が記録され,うち海崖種は15種(19.5 %)であった。海崖種の相対優占度の平均値(±SD)は45.9 %(±22.9)であった。NMDSで得られた調査区の1軸スコアは海崖からの距離の対数値との相関が有意であった(r=0.72; p<0.01)。2軸は亀裂深との相関が有意であり(r=-0.33; p<0.05), 3軸は亀裂幅との相関が有意であった(r=0.33; p<0.05)。NMDSの種のスコアでは,海崖種の多くが1軸負の方に偏る傾向があり,海崖からの距離とともに減じたが,ハマゼリなど,海崖から離れた立地条件にも生育している種が確認された。 海岸及び海崖に近い幹線道路脇の路面間隙は海崖生種の生育場所となりうると結論付けることができる。ただし路面間隙を種多様性の高い空間とするためには検討すべき課題も多いと考えられた。 |