田口 哲
  タグチ サトシ   TAGUCHI Satoshi
   所  属   札幌校
   職  名   学長
発表年月日 2001/09
発表テーマ 金属単結晶電極へのZn upd挙動に対する各種アニオンの影響.
会議名 2001年電気化学秋季大会
発表区分 学会発表
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 東京理科大学
種別 国際的又は全国的規模
発表者・共同発表者 荒又明子,A.A. El-Shafei,田口 哲
概要 Zn2+/ZnとZn(OH)42-/Znの標準電位はそれぞれ-0.763 V,-1.285 Vと高い負電位にあるので,PtやAu電極上では水素発生反応が起こり,Zn underpotential deposition (upd)は観測されえないと思われていたが,水素電極反応の平衡電位よりも正電位でZn updが起こることを見出した。Zn upd シフト電位がPtとAuではそれぞれ 1.1Vと0.7Vと大きく,これらの値はZnとPtやAuとの仕事関数の差とほぼ等しかった。一方,ニッケルやクロムメッキには亜鉛が共析し,ニッケル電析では亜鉛の電析量がニッケルより多いことが観測されている。ニッケルやクロムの標準電位は亜鉛よりも正電位にあるため,この亜鉛の電析現象は“異常電析”と呼ばれている。Zn updはニッケルやクロムの電析電位よりも正電位で起こることを示しているので,Zn updがメッキと密接な関係があると考えられる。また別に,Horanyiとの共同研究によって多結晶Pt電極上のZn updには硫酸基やリン酸基が可逆的に共吸着し,これらアニオンの吸着力はCl-よりも強いことを見出した。この傾向はAu上のCu updと共吸着するアニオンの吸着強度の傾向とは異なっている。これらの知見からZn upd共吸着アニオンとメッキにおけるアニオンの効果とは密接に関連していると推定した。