(最終更新日:2024-04-20 21:31:55)
  山川 卓
  ヤマカワ タカシ   YAMAKAWA Takashi
基本情報
   所  属   函館校
   職  名   講師
   所属講座   社会科教育
   電話(D・I)  
学位
1. 2016/03
博士(国際関係学)(立命館大学)
2. 2012/03
修士(国際関係学)(立命館大学)
3. 2008/03
学士(教養)(国際基督教大学)
関連リンク
   YUGOESGLOBAL(ユーゴスラヴィア研究情報サイト)
所属学会
1. 日本国際政治学会
2. 日本平和学会
3. 東欧史研究会
4. グローバル・ガバナンス学会
5. ASEN (The Association for the Study of Ethnicity and Nationalism)
現在の専門分野
国際関係論, 政治学
政治史, ナショナル・マイノリティ政策, ロマ運動 (キーワード:ナショナリズム、クロアチア、ユーゴスラヴィア、EU、ロマ、リズムと身体性) 
研究テーマ
1. 2021/04~  ロマ運動・ロマ政策における「人種」概念の意味および反人種差別運動とのかかわり 個人研究 
2. 2021/04~  旧ユーゴスラヴィア地域政治のグローバルな空間における再解釈 国内共同研究 国内共同研究 
3. 2023/04~  民主主義・民主化論とリズム・身体論の接続可能性 個人研究 
4. 2016/04~2021/03  旧ユーゴ地域におけるロマ運動の政治史 個人研究 
5. 2012/04~2021/03  クロアチアの欧州化とネイション化によるナショナル・マイノリティ政策の変容 個人研究 
研究内容
1. ロマ運動・ロマ政策における「人種」概念の意味および反人種差別運動とのかかわり
 「真の欧州マイノリティ」とも評されてきたロマの人々は、過去の歴史を通して「人種化」の対象とされてきた。ロマの人々による政治運動と、それと相互的に展開されてきたロマ政策は、現在に至るまで「人種」分断の認識に対抗/適応しながらあらわれ続けている。特に、1970年代以降に展開されてきた国際的なロマ運動とグローバルな反人種差別運動のかかわりについての分析を進めている。

2. 旧ユーゴスラヴィア地域政治のグローバルな空間における再解釈
 従来の旧ユーゴスラヴィア地域研究の多くは、方法論的ナショナリズムを前提とする傾向があり、「民族対立」および国民国家形成・紛争、民族対立を解消する民主化・「欧州化」といった論点に偏ってきた。他方で、近年は歴史学・エスノグラフィーなどのアプローチから、複雑な「民族」認識と旧ユーゴ政治の実態を、ナショナルな一国史の文脈を超えて解明する研究成果が発表されている。ここでは、そうした最先端の研究成果のレビューを含め、旧ユーゴ地域のナショナルな政治を重層的な地域空間に位置づけながら分析する。具体的には、ナショナル・マイノリティの権利・政治参加を保障する制度が、民主化・「欧州化」の一部として構築されながら、民主政治の規範と葛藤を引き起こす現象を分析している。

3. 民主主義・民主化論とリズム・身体論の接続可能性
 近年、人間社会を依存する主体から考える「ケアの倫理」や、人間以外の主体の政治参加を考える「ノン・ヒューマンの権利」などの議論が盛んになっている。こうした議論は従来の自由民主主義論の前提=自由で自律した意志をもつ政治主体、を問い直す論点を提起するものである。ここでは、上記の論点を含めて、政治的な場に主体の意志が映し出される過程を「リズム・身体論」から再定義するとともに、ポピュリズムやデジタル民主主義論を意志中心主義として退けつつ、従来のリベラリズムを批判的に発展させる視角を模索する。
担当講義
国際関係概論、国際関係論、国際政治学、海外スタディツアー、地域プロジェクト、アカデミックスキル、国際協働ゼミナール
著書、学術論文
1. 2024/06 著書  「現代クロアチアの欧州化と地域の多層性―「学級隔離」後のロマ教育政策から―」 『国際地域研究VI』  (共著) 
2. 2021/03 著書  「EUロマ政策規範-反ジプシー主義との闘いとロマの非対象化へ?」『EUの規範とパワー』  125-145頁 (共著) 
3. 2020/02 論文  EU加盟後のクロアチアにおけるナショナル・マイノリティ政策 : 審議会制度の分析を中心に ロシア・ユーラシアの社会 (1048),2-20頁 (単著) Link
4. 2019/01 著書  マイノリティ保護のクロアチア政治史:ネイション化とヨーロッパ化の弁証法   (単著) 
5. 2018/11 論文  Romani Movement in Socialist Yugoslavia: An Analysis of Intellectuals’ Perspectives Ritsumeikan Journal of International Relations and Area Studies 48(1),pp.39-63 (単著) Link
6. 2018/02 論文  「ロマ包摂の十年(2005-2015)」に関する一考察:東西分断と当事者参加の問題から 立命館国際研究 30(3),83-107頁 (単著) Link
7. 2017/06 論文  クロアチアのマイノリティ保護制度形成過程:基本法改定をめぐるヴェニス委員会との交渉から 憲法研究 (49),77-106頁 (単著) 
8. 2017/03 論文  社会主義ユーゴスラヴィアにおける多民族政策とロマ運動 立命館大学人文科学研究所紀要 (111),91-126頁 (単著) Link
9. 2016/03 論文  現代クロアチアにおけるマイノリティ保護政策に関する研究 : ネイション化とヨーロッパ化の弁証法的相互作用を通して 立命館大学審査博士論文  (単著) Link
10. 2015/10 論文  現代クロアチアの国民イデオロギーとヨーロッパ化 : ロマ保護政策をめぐって 立命館国際研究 = Ritsumeikan kokusai kenkyu / The Ritsumeikan journal of international studies 28(2),139-159頁 (単著) 
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月刊誌、書評、報告集及びコラム
1. 2024/06 「『選べなさ』の政治学」(北海道教育大学函館校国際地域研究編集委員会編『国際地域研究VI』大学教育出版)
学会発表・講演
1. 2021/12 社会主義ユーゴスラヴィアのロマ運動:「民族」と「人種」の矛盾をめぐって(東欧史研究会2021年度12月例会)
2. 2017/12 ロマに関する欧州のガバナンス(関西学院大学産業研究所講演会)
3. 2017/11 クロアチアにおけるマイノリティの権利基本法の制定・改定過程: 公共性の争点としてのマイノリティ(日本平和学会2017年度秋季研究集会、公共性と平和分科会)
4. 2017/06 Does Monitoring Matter? UNDP and the 'Decade of Roma Inclusion(Academic Council on the United Nations System (ACUNS), Annual Meeting 2017, Workshop Panel 2-2)
5. 2017/05 「ロマ包摂の十年(2005-2015)」と国際的なマイノリティ保護(グローバル・ガバナンス学会第10回研究大会、自由論題部会)
6. 2016/11 クロアチアにおけるナショナリズム:EU加盟とロマ保護政策から(憲法学会第116回研究集会)
7. 2016/10 現代クロアチアにおけるマイノリティ保護政策をめぐって:ヨーロッパ化=ネイション化試論(日本国際政治学会2016年度研究大会、欧州国際政治史・欧州研究分科会)
外部補助金等
1. 2023/10~2025/03  ポスト・ユーゴスラヴィアにおける戦争経験を踏まえた「民族共存」モデル再考 (人文・社会科学系学術研究助成)
2. 2023/05~2024/03  体制転換期ユーゴスラヴィア社会におけるロマの人びとに対する認識 (「共同利用型」の個人による研究)
3. 2017/08~2019/03  欧州統合下のクロアチアにおけるロマ保護政策に関する研究 (研究活動スタート支援)
職歴
1. 2022/04~2023/03 日本経済大学 神戸三宮キャンパス 非常勤講師
2. 2017/04~2022/03 立命館大学 授業担当講師