(最終更新日:2022-07-07 11:14:22)
  齋藤 幸子
  サイトウ サチコ   SAITO Sachiko
基本情報
   所  属   旭川校
   職  名   准教授
   所属講座   数学教育
   電話(D・I)  
学位
1. 1990/03/24
理学博士(北海道大学)
2. 1987/03/31
理学修士(奈良女子大学)
3. 1985/03/31
理学士(奈良女子大学)
所属学会
1. 1987/06~ 日本数学会
2. 2012/03~2013/02 ∟ 「数学通信」編集委員会常任編集委員
3. 2012/03~2013/02 ∟ 評議員(北海道支部)
4. 2013/03~2014/02 ∟ 地方区代議員(北海道支部)
委員会・協会等
1. 2013/03~2014/02 日本数学会 地方区代議員(北海道支部)
2. 2012/03~2013/02 日本数学会 評議員(北海道支部)
3. 2012/03~2014/02 日本数学会 「数学通信」編集委員会 常任編集委員
現在の専門分野
幾何学, 代数学
位相幾何学, 代数幾何学 (キーワード:K3曲面,周期,反シンプレクティック正則対合,実代数曲線,格子,モジュライ,例外因子,混合超曲面特異点,トーリック爆発射) 
研究テーマ
1. 2019/12~  混合超曲面特異点 国内共同研究 (キーワード:混合関数,混合多項式,Newton多面体,トーリック爆発射,ミルナーファイブレーション)
2. 2009/11~  実 2-elementary K3 surfacesの退化性と周期領域,例外曲線とCoxeter-Dynkinグラフ 国際共同研究 (キーワード:2-elementary K3 surface, nonsymplectic holomorphic involution, anti-holomorphic involution, degeneration, Coxeter-Dynkin graph)
3. 2002/09~  反シンプレクティック正則対合を持つ実K3曲面 国際共同研究 (キーワード:K3曲面,反シンプレクティック,格子,対合)
研究内容
2020年度は,混合超曲面特異点のトーリック爆発射による特異点解消の問題に取り組み,論文[4]を得,現在は,混合関数のNewton非退化性について研究している.

2018年度は,日本数学会トポロジー分科会の支援を得,K3曲面の著名な研究者であるV. Nikulin氏を札幌に招き,トポロジー連絡会議の「トポロジープロジェクト」として「K3曲面と格子理論特別セミナー」を開催した.2017年度は,同「トポロジープロジェクト」として「第5回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ」を開催した.
K3曲面とは,第1Betti数が0,標準直線束が自明なコンパクト連結複素曲面である.例として,CP^3内の非特異4次曲面,非特異6次曲線で分岐するCP^2の2重被覆などがある.すべてのK3曲面は微分同相であるが,その複素構造,Picard群,effective classesの集合は様々あり得る.K3曲面の2次元ホモロジー群は,交差形式を込めてU+U+U+(-E8)+(-E8) (K3格子)と同型であるが,K3格子上の対合作用について,V.Nikulinは1980年代初めに強力な分類方法を確立した.この研究にはK3曲面の周期の理論,格子に関する整数論が関わっている.V.Nikulinはその理論を用いてHilbert第16問題(非特異実6次曲線,非特異実4次曲面の位相的分類)を大域的に解決した.K3曲面が反正則対合(実構造)を持つとき,実K3曲面と呼ばれる(CP^3内の実係数4次斉次多項式で定義される複素曲面など).一方,K3曲面X上の反シンプレクティックな正則対合τの不動点集合は空または非特異な複素曲線であり,前者の場合の商空間X/τがEnriques曲面である.反シンプレクティック正則対合を持つK3曲面についても,Nikulin, Dolgachevらが1980年頃研究を始めた.反シンプレクティック正則対合τを持つK3曲面に対し,その2次元ホモロジー群上のτ作用の固定部分の格子としての同型類 S は75通りあることが知られている(Nikulin).反シンプレクティック正則対合τを持つK3曲面Xがさらに可換な反正則対合φを持つとき(real 2-elementary K3 surfaces),商空間(複素曲面)X/τの実部における不動点曲線のisotopy型の研究は,Hilbert第16問題の拡張である.V.Nikulinと齋藤幸子は,2002年頃から,そのモジュライ空間(周期領域)の連結成分,連結成分と対合付きK3格子(H_2(X;Z), φ_*)の同型類との対応,商複素曲面X/τをブローダウンした曲面上のτの不動点曲線(の像)のisotopy型について共同研究を行った(例えば,rank S=2の場合のX/τは,P^1 × P^1,または,Hirzebruch曲面 F_1, F_2, F_4である).論文[1](2005)では," (S,θ)型"の"D(R)-非退化な" real 2-elementary K3 surfacesのモジュライ空間の連結成分と(S,θ)型の対合付きK3格子の同型類が1対1に対応するという定理を得,応用として,rank S ≦2 の各モジュライ空間の連結成分を明示的に表した(論文[2](2007)も参照).特に,S = <2>+<-2> の場合は,RP^2上の2重点を1つ持つ実6次曲線の分類に対応するが,論文[1]で得たモジュライ空間の連結成分は,2重点を解消した実曲線の実Hirzebruch曲面RF_1上のdeformation classesを識別するが,2重点のisotopy型(node, cusp, isolated point)を識別しないことがわかった.一方,「非退化な」2重点を1つ持つ実6次曲線の"rigid isotopy分類"は,I.Itenberg(Jussieu数学研究所)が1992年にすでに完了しており,このrigid isotopy類は,S = <2>+<-2>型のreal 2-elementary K3 surfacesのモジュライ空間(周期領域)からさらに(-6)元の直交超平面を取り除いて得られる連結成分(多角形)たちと対応する.これは,"D(R)-非退化"より強い意味で非退化な対象の分類なのである.同様の現象は,実Enriques曲面の分類でも起こり,(-4)元の直交超平面を取り除かなければならないが,この場合は,直交超平面に関する鏡映が同値な周期をもたらすため,モジュライ空間の連結成分と(S,θ)型対合付きK3格子の同型類が丁度1対1に対応する.さらに,Itenbergは,rigid isotopy類をvertices(頂点)とし,変形 "node - cusp - isolated point"に対応する2頂点をsimple edgeで結んで得られるグラフが,対合付きK3格子の同型類から代数的に得られるCoxeter-Dynkinグラフと関わることも見つけた.齋藤幸子は論文[3]で,同様のアプローチをrank S= 3の場合に実行した.

[1] V.Nikulin and Sachiko Saito, Real K3 surfaces with non-symplectic involution and applications, Proc. London Math. Soc., 2005, 591--654.
[2] V.Nikulin and Sachiko Saito, 同上. II, Proc. London Math. Soc., 2007, 20--48.
[3] Sachiko Saito, On real anti-bicanonical curves with one double point on the 4-th real Hirzebruch surface, Journal of Singularities 11 (2015), 1--32.
[4] Sachiko Saito and Kosei Takashimizu, Resolutions of Newton non-degenerate mixed polynomials of strongly polar non-negative mixed weighted homogeneous face type, Kodai Math. J., 44-3, 457--491, (2021).
担当講義
学部では,幾何学I,幾何学II,幾何学III,幾何学IV,幾何学Vなどを担当しています.
幾何学I (1年後期)では,前期の「数学入門(代数学)」で習得したベクトル・行列に関する知識を基礎とし,平面(R^2)や3次元空間(R^3)におけるベクトルの線形独立性や,ベクトルの内積、外積(ベクトル積)などを幾何学に応用します.平行四辺形の面積,平行6面体の体積と行列式との関係,R^3の基底の向き(右手系,左手系),R^2やR^3における直交変換(回転移動と裏返し)と平行移動,R^3におけるオイラー角など,線型代数学の幾何学的応用を学びます.幾何学II (2年前期)では,複素数列や複素級数,複素べき級数の収束,オイラーの公式,複素関数の連続性,微分可能性,実2変数関数の微分可能性との関係(コーシー・リーマンの関係式)等について学びます.幾何学III (2年後期) では,前年度の「数学入門(集合と論理)」で習得した集合と写像に関する知識を基礎とし,距離空間や位相空間の性質,特に,開集合・閉集合の概念,写像の連続性,位相空間の連結性,ハウスドルフ性,コンパクト性について学びます.幾何学IV (3年前期)では,前年度に学んだ位相空間論を,具体的な図形に応用・活用することを目指します.例えば,よく知られる「メビウスの帯」や「クラインの壺」を「商空間(等化空間)」として数学的に定義します.続いて,微分可能写像の特異点(臨界点)の概念,多様体論の初歩について学びます.そこでは,線型代数学の知識を生かし,ヤコビ行列の計算を行って,図形の性質との関係を学びます.幾何学V (3年後期)では,単体的複体(simplicial complex)のホモロジー群,あるいは,微分幾何学における曲面の第1基本形式,第2基本形式,ガウス曲率,ガウス・ボンネの定理について学びます.測地三角形の内角の和に対する「ガウス・ボンネの定理」を学ぶことによって,非ユークリッド幾何の世界を数学的に理解してほしいです.(年度によって適宜内容を変更します)
授業科目
1. 幾何学1
2. 幾何学2
3. 幾何学3
4. 幾何学4
5. 幾何学5
6. アカデミックスキル
7. 倫理・人権
8. 自然科学入門(数学)
9. 数学史
10. 初等算数AH, BCD, EFG
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著書、学術論文
1. 2022/03/26 論文  A note on Newton non-degeneracy of mixed weighted homogeneous polynomials (投稿中)  (共著) 
2. 2021/10 論文  Resolutions of Newton non-degenerate mixed polynomials of strongly polar non-negative mixed weighted homogeneous face type Kodai Mathematical Journal 44(3),pp.457-491 (共著) Link
3. 2015/01 論文  On real anti-bicanonical curves with one double point on the 4-th real Hirzebruch surface Journal of Singularities 11,pp.1-32 (単著) Link
4. 2007/07 論文  Real K3 surfaces with non-symplectic involution and applications. II Proceedings of London Mathematical Society (95),pp.20-48 (共著) Link
5. 2005/05 論文  Real K3 surfaces with non-symplectic involution and applications Proceedings of London Mathematical Society (90),pp.591-654 (共著) Link
6. 2001/07/01 著書  「代数曲線と特異点」  -頁 (共著) Link
7. 1992 論文  Congruences for M and (M-1) curves with odd branches on a hyperboloid Bulletin of the London Mathematical Society (24),pp.61-67 (単著) 
8. 1990/03/24 論文  THE CONFIGURATIONS OF THE M-CURVES OF DEGREE (4,4) IN RP1× RP1 AND PERIODS OF REAL K3 SURFACES 北海道大学博士論文  (単著) Link
9. 1990 論文  The configurations of the M-curves of degree (4,4) in RP^1 x RP^1 and periods of real K3 surfaces Hokkaido Mathematical Journal (19),pp.361-378 (単著) 
10. 1989 論文  An algebraic criterion for right-left equivalence of holomorphic functions on analytic varieties Bulletin of the London Mathematical Society (21),pp.164-170 (単著) 
全件表示(28件)
学会発表・講演
1. 2022/03 混合擬斉次多項式のNewton非退化性および強義Newton非退化性(日本数学会2022年度年会)
2. 2021/06 強義極非負混合擬斉次多項式面関数を持つ混合多項式(特異点論の未来)
3. 2021/03 強義混合擬斉次多項式面関数を持つNewton非退化混合多項式の芽のトーリック特異点解消(日本数学会2021年度年会)
4. 2017/10 Real DPN pairsのHilbert第16問題とreal 2-elementary K3 surfacesの退化性(東海大学理学部数学科談話会)
5. 2017/08 Degenerations of real nonsingular anti-bicanonical curves on real DPN surfaces and Coxeter graphs(第5回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ)
6. 2017/02 On real anti-bicanonical curves with one double point on the 4-th real Hirzebruch surface.(第1回幾何学研究会)
7. 2015/08 実K3曲面の分類に関する諸問題(1)(2)(第3回 K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ)
8. 2013/08 Nikulin, "Involutions of integral quadratic forms and thier applecations to real algebraic geometry", Math.USSR Izv. 22 (1984) の主結果について(第1回 K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ)
9. 2013/08 実エンリケス曲面のモジュライの連結成分と対合付き格子の同型類の対応(Degtyarev, Itenberg, Kharlamovの結果)(第1回 K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ)
10. 2013/03 Real 2-elementary K3 surfaces of type (3,1,1) and degenerations(日本数学会 年会)
全件表示(49件)
外部補助金等
1. 2018/09~2018/09  K3曲面と格子理論 セミナー (日本数学会トポロジー分科会 トポロジープロジェクト)
2. 2018/04~2019/03  幾何学的特異点論の展開と応用 (基盤研究(B) 研究分担者)
3. 2017/08~2017/08  第5回 K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ (日本数学会トポロジー分科会 トポロジープロジェクト)
4. 2017/04~2018/03  幾何学的特異点論の展開と応用 (基盤研究(B) 研究分担者)
5. 2016/10~2016/10  第4回 K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ (日本数学会トポロジー分科会 トポロジープロジェクト)
6. 2013/04~2016/03  反シンプレクティック正則対合を持つ実K3曲面とその退化 (挑戦的萌芽的研究 (研究代表者))
7. 2010/04~2014/03  サブリーマン幾何からトロピカル幾何まで実代数幾何的綜合研究 (基盤研究(B) 連携研究者)
8. 1997~1997  実代数多様体の変形と条件付き対合付き格子 (奨励研究(A))
9. 1996~1996  実多項式で定義される複素曲面とその実部との相対位相型 (奨励研究(A))
10. 1994~1994  実代数曲線の位相的性質と,対合をもつ格子の不変量との間に対応について (奨励研究(A))
全件表示(11件)
職歴
1. 1990/04~1991/04 日本学術振興会 特別研究員PD (北海道大学理学部数学科)
2. 1991/05~1995/03 北海道教育大学教育学部 函館校 講師
3. 1995/04~2007/03 北海道教育大学教育学部 函館校 助教授
4. 2007/04~ 北海道教育大学教育学部 旭川校 准教授
5. 2008/12 北海道大学 大学院理学院数学専攻 非常勤講師
6. 2009/06 熊本大学 大学院自然科学研究科 非常勤講師
7. 2018/10~2019/02 北海道大学 全学教育 非常勤講師
8. 2019/10~2020/02 北海道大学 全学教育 非常勤講師
9. 2020/10~2021/02 北海道大学 全学教育 非常勤講師
資格・免許
1. 1987/03/31 高等学校教諭(数学)専修免許状
2. 1987/03/31 中学校教諭(数学)専修免許状
社会における活動
1. 2021/12 教員免許状更新講習 講師 【選択領域】 「微分してみよう,積分してみよう」
2. 2020/12 教員免許状更新講習 講師 【選択領域】 「微分してみよう,積分してみよう」
3. 2018/12 教員免許状更新講習 講師 (「面積・体積の計算の歴史」)
4. 2018/09~2018/09 K3曲面と格子理論セミナー (企画・開催)
5. 2017/10 第72回北海道算数数学教育研究大会 高等学校部会 第6分科会助言者
6. 2017/08 第5回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ 世話人 (北海道教育大学札幌駅前サテライトにて)
7. 2016/10 第4回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ 世話人 (北海道教育大学札幌駅前サテライトにて)
8. 2016/08 教員免許状更新講習 講師 (「面積・体積の計算と数学史」)
9. 2015/08 第3回K3曲面・エンリケス曲面ワークショップ 世話人 (北海道教育大学札幌駅前サテライトにて)
10. 2015/01 研究集会「接触構造、特異点、微分方程式及びその周辺」  世話人 (旭川市ときわ市民ホールにて)
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